2020年1月17日(金)


倫理的に許されない

東野圭吾さんの「分身」をWOWOWでドラマ化したのを「AXNミステリー」チャンネルでやってたので録画して、きのう見終わりました。別々の場所に住む二人の女性(氏家鞠子・小林双葉)の姿かたちがそっくり。しばらくは「体外受精による一卵性双生児」疑惑で物語が推移していましたが、二人の女性があまりにも似すぎているので、氏家鞠子(長澤まさみ)の友達の(医学部の学生の)下條めぐみ(臼田あさ美)は、二人は鞠子の父親(佐野史郎)が学生時代に好きだった女性のクローンだと確信します。「核移植って言葉聞いたことあるよね?」「・・・(うなずく)」「核移植っていうのは、卵子を受精以外の方法で一人前の細胞にしようというものなの。原理はそんなに難しくないわ。卵子の細胞核の中の染色体を取り除いて、すでに一人前の細胞の核を入れてあげればいいの。これは髪の毛の細胞でも内臓の細胞でもいいの。一個の個体を作る細胞はみんな同じ遺伝子を持ってるはずだから。例えば白ねずみの卵子から細胞核を取り除いて、黒ねずみの細胞の核を移植したとする。成長すると、このねずみは白じゃなくて、黒ねずみになる。しかもこのねずみは、細胞を提供した黒ねずみとまったく同じ遺伝子情報を持ってるから、当然、姿かたち、コピーしたようにまったく同じになるわけ。こうした生物のことをクローンと呼んでいる。クローン羊やクローン牛の実験では有名よね」「わたしがそれだっていうことね」。このドラマの中で「そんなこと倫理的に許されるはずがない」みたいな言葉がひんぱんに出てきたけど、(たぶん)進化論を信じていて神さまを信じてない人たちがどうして、そんな言葉を発するのかよくわかりませんでした。神さまを思って発した言葉ではなく、自然界の秩序を崩壊させて、人間や他の生き物が滅んでしまうかもしれないという恐れが根底にあるのかもしれません。

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