カウンター娘


本が好きでした。
毎週借りてたと思います。
児童文学(「赤毛のアン」など)もそうだけど、
そのころなぜか推理小説が好きで、
江戸川乱歩シリーズを読んでたのを覚えています。
星も好きで宇宙に関する本なんかも借りてたと思います。

そして図書館の雰囲気も好きでした。
小学校5年生のとき(6年生も?)図書委員になりました。
確か定員は3人で、女子3人男子2人で
じゃんけんして決めたのを覚えています。
結果は女子ばかり3人で、C・Yさん、R・Mさん、
そして私(M・Y)でした。

図書館のカウンターの中で、
返却された本の貸し出しカードに返却のはんこを押して、
本の表紙の裏に貼ってあるポケットにカードを戻して、
本のラベルを見て、元の棚に戻すのです。
それを10冊くらいずつまとめてやってました。

カウンターの上に返却された本がなくなったら、
「あー片づいたぁ」って感じなんだけど、
カウンターの上に何もなくても、
何となくカウンターの中にいたりしました。
誰かが本を借りていくときはまた
何かしてたと思うけど、どういうふうにしてたか、
よく覚えていません。
クリップで貸し出しカードと個人カードを重ねて留めて、
保管箱に入れてたような気はするけど。

私がカウンターの中にいると、
C・YさんやR・Mさんがにやにやしながらやってきて、
彼女たちもカウンターの中に入ってきて、
3人でおしゃべりしたり、作業をしたり。
たまに他の組の図書委員(別の曜日が当番?)もやってきて、
おしゃべりに加わったり。手伝ってくれたり。
図書館の先生(司書さん?)ともよく話しました。
何だかカウンターの中がとても居心地のいい場所になっていました。

中学に入ると、友達に影響(班ノートや交換日記)を受けて、
丸っこいかわいい文字を書くようになりました。
そしてかわいいイラストを描いて、
そのかわいい文字でポエム(詩)を添えるのです。→ こんな感じ(笑)
そしてだんだん少女マンガ家になりたいと思うようになりました。

高校は進学校だったので、マンガ家を目指すことはしなくて、
大学に行くつもりでいて、受験勉強もしてました。
恋もしてましたけど、片想いだったので、たぶんそれで成績が急落。
大学生になって、学年が上がるにつれ、就職を意識し始めて、
そしたら普通に就職したくなくて、マンガ家になりたくて、
本格的にマンガを描くようになりました。
東京の出版社には原稿を郵送で送ったりして。
でもうすうす予想してた通り、まったく可能性は開けず、
普通に就職することになってしまいました。
最後の悪あがきで、社会人になって一度だけ、
その出版社に直接原稿を持ち込みしたことがあります。→ そのときもらった名刺

畳んだ傘長靴


図書館や本が好きだったけど、その方面にはまったく縁がありませんでした。
あこがれの対象は活字の本から丸文字のマンガに変わり、
カウンターでの仕事経験もとうとうありませんでした。

去年から用事で何度も行ってた年金事務所。
私の担当の相談員のボックス席に入ると、
日本年金機構のロゴと船橋年金事務所の文字が入って
その右に「相談員 ○○○○○」って印刷してある札が
カウンターの上に置いてあるのを毎回見て、かっこよくて、
口には出さなかったけど、いいなぁって思ってました。
その相談員の女性は話しやすくて、相談の合間に
ときどき友達みたいな世間話もできたし。

カウンターでやさしい笑顔でお客さまを迎える仕事って
とてもすてきだと思います。あこがれます。
私もそんな女性になりたかったな。


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