お姉ちゃんの代わり


お姉ちゃんが流産しなかったら、
わたしはこの世にはいませんでした。
そのことを知ったのは高校生の頃です。
母が教えてくれました。お姉ちゃんは
どこかの神社で供養してもらったそうです。

お姉ちゃんが母のおなかの中からいなくなって、
しばらくしてわたしが母のおなかに宿りました。

だから大学生の頃、お姉ちゃんに
話しかけるようになりました。
何かあるとこれはお姉ちゃんがわたしに
させているんだと思ったり、
この思いはお姉ちゃんの思いなんだ
と思ったりしていました。

どうしてお姉ちゃんに会えなかったんだろう。
お姉ちゃんに会いたいと思いました。

わたしの生まれた日

その後わたしは原爆が落ちなかったら、
この世に生まれなかった方のことを知りました。

そしてまた原爆が落ちなかったら、
日本は「負けた」と言わなかったでしょう。
日本が「負けた」と言ったとき空襲は止まりました。
アメリカは炊き出しなんかもしてくれました。
子どもたちにチョコレートもくれました。
それでも多くの子どもたちは栄養失調による
下痢によって亡くなっていました。
そして国連の一機関だったユニセフ(UNICEF)
が日本の子どもたちの支援に来てくれました。

国力のあったアメリカは長年ユニセフへの拠出金が
世界第一位でした。でも戦後74年を経て(2019年)
日本は初めてアメリカを抜いて世界一になりました。

すべてのことの背後に神さまがいます。
何が正しいのかなんてわたしにはわかりません。
でもすべてを働かせて益としてくださる神さまは
こんなわたしを強い御手で引き寄せてくださった。

お姉ちゃんがどうなったのかわからないけど、
今のわたしが誰なのかもわからないけど、
それでも神さまがいてくださるから
わたしはありのままのわたしでいたい、
今のままのわたしでいたいと強く思います。


BACK