ポーカーフェイス


もう一度会えるなら
もっと優しい人になりたい。
今思い返すと、あのときの私は
やさしいふりをして、
自分のことばかり考えてたね。
あなたを傷つけたことずっと気づかずにいて
あの夜おふとんの中で初めてそれに気づいて
今まで生きてきた中で一番泣いて泣いて
たぶん一睡もできなかった。
枕が涙で濡れて、目は赤く腫れて、
学校に行こうかどうしようか迷った。
その日補習のあった小講堂で、
あなたが友達と笑顔で話してるのを見たとき、
少しほっとして、心の中でさよならを言った。
あなたと目が合った気がしたけど、
気づかないふりをして、離れた席に座った。
学校から帰って、何かのドラマのシーンのように、
庭に出て、あなたがくれた手紙を燃やした。
高校二年生の春休みでした。

その後長いこと生きてきて、私は
ずいぶん恋に臆病になりました。
そして遠慮がちになりました。
相手の生活に
波風を立てたくなくて、
びっくりさせたくなくて、
私の思いは心の奥にしまって、
そっと遠くから
あなたを見ています。
近くにいるときは
何でもないふりをして、
あなたをあまり見ないように。
こないだ自然な感じで
話題が浮かんだけど、
やっぱりいいやと思って
言葉を飲み込んだ。

ポーカーフェイスを身につけた私の心に
あなたはいつか気づいてくれるでしょうか。
今でもあなたのことが大好きです。


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