2016年1月23日(土)


お墓のイメージは安らぎ

ある夜一人でアパート近くの墓場に行ったことがあります。大学一年生の冬でした。このころから虚無感や孤独感を感じることが多くなって、たぶん買い物に行った帰り、このまま帰りたくないと思って、本屋さんで立ち読みしたり、街の明かりを眺めたりして、ブラブラしたあげくたどり着いたのが、山のふもとにある墓場でした。たぶん死にたいと思ってたんだと思います。多くの人は墓場って気持ち悪いとか、肝試しの場所とか、心霊スポットとか、そういうことしか考えてないような気がします。近くに墓場ができる計画が持ち上がると、みんなで反対運動したりします。でも私はあの夜墓場にたどり着いたとき、お墓の並んでる場所にちゅうちょなく入っていきました。そしたら急に涙が出てきて、しゃくりあげて泣いてしまいました。墓場は安らぎに満ちていました。やさしいんですよね。しばらくして涙をふいて立ち上がって、お墓とお墓のあいだにある通路をゆっくり歩きました。お墓で眠ってる人たちは、人生の苦しみから解放された人たちなんだと思いました。私はやさしいおじいちゃんやおばあちゃんを想像しました。生きることに迷って苦しんでる孫みたいな私を幽霊になって出て行ってびっくりさせるわけないと思いました。もし霊がいるとしても、醜く意地悪い人間のほうがよっぽど怖いです。この一年後に私はアルバイトで知り合った友達から、一冊の本を貸してもらうことになるのです。→ 私が神さまのところに来るまで

そのとき私は、御座から出る大きな声がこう言うのを聞いた。「見よ。神の幕屋が人とともにある。神は彼らとともに住み、彼らはその民となる。また、神ご自身が彼らとともにおられて、彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである。」(ヨハネの黙示録 21章3-4節)

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